今回紹介するのは、自分は正しいという考え方が間違っていると言われる唯一の理由についてです。
明らかに自分が正しいと言える場面もありますし、自分自身が正しいと思い込んでいるだけの事もあります。
こういったトラブルというものは、どちらの側に立ったとしても、後から後悔するという事が少なくありません。
そして、物事を普段からよく考えており、自分は正しいと考えられる人に限って、悪者扱いを受ける事も少なくありません。
絶対的に正しいと自覚している場合においては、このような扱いを受けるのは非常にストレスの溜まる事になります。
こんな状況を回避するためにはどうすればいいのか。今回は、自分が正しいという考えが間違っている部分を切り取って紹介していきたいと思います。
まずは、同じように自分は絶対的に正しいが、結局悪者扱いをされてしまった体験談をご覧いただき、その話を絡めつつ間違っている部分を紹介していきます。
こういった体験談を客観的に見る事によって、どういった部分が間違っているのか見えてくることもありますので、体験談も必ずご覧ください。
学校生活で巻き込まれたトラブル

原因の分からないトラブル
私たちの部には男子部はありましたが、女子部がなくて私を含む3人で発足しました。
人数が足りずに団体戦に参加出来ず、たくさんの人に声を掛けて回りました。
2年に進級する前に、同級生2人と1年の後半に転校してきた帰国子女の子を勧誘することに成功し、夏の大会に参加して初出場ながら準優勝することが出来ました。
私は英語弁論大会などにも出場していたので、帰国子女である彼女にお願いして発音の練習にも付き合ってもらいました。
ある日、転校生が休憩中に部室に座り込み、顔を伏せっていました。
具合が悪いのか、どうしたのか全く分からず、部員全員が心配して声を掛けました。
でも、彼女は何も答えずに時々チラリと私の方を見ていました。
これは私のせいだなと思いましたが、思い当たることはありません。
しかし、この日から避けられる日々が続きました。
トラブル解決への周りの動き
1週間後、私の同期から部の雰囲気が悪いから謝ってはどうかと打診されました。
思い当たることはないのに私が謝る意味が分からないと断りました。
更にその数日後、転校生と同じクラスにいる親友から、私が彼女に謝ったが気付かずに無視してしまい、その後私に何度も謝ったのに許してくれないと言っているから許してと言われました。
この2週間、彼女とは挨拶すらしていません。
いつ謝ったのか、そもそも謝る理由がないから謝られる必要もないと教室の影に隠れてこちらを覗っていた彼女にも聞こえるように言いました。
知らない内に何か傷付けるようなことをしたのなら、横目で睨み付けたり、周りに根回しをしたりせずに直接話に来ればいいのにとも言いました。
私がしたことを詳しく相談すればいいのに誰も理由を知りませんでした。知っているのは転校生ただ1人だけ。
私も当初は何かしたのかもしれないと心配して声を掛けていたにもかかわらず、無視をしたくせに今更コソコソ私が悪者のように言うのはやめて欲しいと思いました。
トラブルの原因が発覚
更に1週間後、ついに真相が判明しました。
私の同期2人が生活指導室に相談しに行っていた転校生を捉まえて理由を問い詰めました。
私と彼女の同期2人がコソコソ話をしていたのを見た、陰口に違いないと言っていたので、そんなことをする子ではないから確かめてくると言って私たちのところに来ました。
その話を聞いた彼女の同期2人が、憧れの先輩が一緒だったから聞こえないように恋愛相談していただけだと説明して誤解が解けたらしいです。
ならば何故、私だけが敵視されなければいけなかったのかと聞いたら、何となく私が首謀者だと思ったと説明されました。
自分は正しいのに
何の根拠もなく悪者扱いされ、理由は知らなかったものの良きライバルの同期には咎められ、部内とは関係のない親友にまで告げ口し、生活指導室の先生にまで私が悪いと相談して、自分は誰かに守ってもらわないとダメな弱い人間アピールをしていた転校生が許せませんでした。
私に影口を言われたと言っていた本人が私の悪口を周りに広めていたのです。
その翌日、生徒指導室に女子部員全員が呼び出されました。
先生から何度も相談に来ていた、誤解が解けて反省しているから許してあげてと言われましたが、当の本人はシクシク泣くばかりで謝っていません。
私は許すも何も本人の口から謝罪の言葉を聞いていないし、泣きたいのは私なのに彼女が泣いているせいで悪者扱いのまま、みんなに責められて納得いかないと伝えても更に泣くだけでした。
結局言い訳ばかりで本人は謝罪しませんでしたが、次の大会も迫っていて同期2人と男性部員の主将に私のことはちゃんと理解しているから、転校生のことは諦めて気持ちを切り替えていこうと説得され、結局私が折れることになりました。
誤解されるような態度で悪かったと謝ると、彼女も勘違いした自分も悪かったとやっと謝りました。
一瞬腹が立って理不尽な気がしましたが、同期や先輩が信じてくれたので、この話はここで終わらせました。
自分は正しいという行動が招くこと

体験者の考える対処法
今思うと、当時の私は気が強くて弱者を気取って弱々しく見せている女の子が苦手だったと思います。
そして1度決めたことを曲げるというのも嫌でした。
もっと早く、最初に同期に謝ってはどうかと打診された時に、謝ることはひとまず置いておいたとしても、話し合いを設けてもらうことは出来たのかなと思います。
それでも、相手の気持ちが変わらずに私を避け続け、話し合いにならなかった場合は私が取った行動は間違っていなかったかなとも思います。
この世の中には自分とそれ以外の人が存在します。
感じることも考えることも全て違うので、人間関係に疲れたら少し距離をとって、相手が何を求めているのか、何を恐れているのかを知るといいかなと思います。
攻撃を仕掛けてくる人は何かしらの恐怖を感じていると気付いたからです。
あの転校生も見知らぬ土地で不安だったんだと思います。
私を悪者にすることで自分の味方をしてくれる人を得て、安心したかったのかなと思います。
たくさんの友人に迷惑や心配は掛けましたが、自分1人で立ち向かうよりは、敵も味方も関係なく周囲を巻き込んで、事の成り行きを静観してどうするべきかを考えてからでも遅くはないかなと思いました。
あの時はただひたすら向こうが間違いを正すまでは近付きたくないという思いで距離を置きましたが、結果的に彼女が周りを巻き込んでくれました。
何をしたか悩むことも大事ですが、自分の意思を誰かに伝えることも必要だと思った出来事でした。
何を求めるのか
冒頭にも述べましたが、こういった人間関係の拗れというものは、非常によく経験する事だと思います。
そしてこういう問題は、長引けば長引くほどあなた自身の精神を蝕んでいきます。
こういう状況で間違いなく言える事は、人は多くの人が自分は正しいと思って行動しているという事です。
しかし、考えの深さ浅さもあり、問題の本質を理解できている人と、理解できていないにも関わらず自分は正しいと思っている人もいます。
普段からよく考える人、ちゃんと考えられている人こそ、自分は正しいと考えると思います。
何故なら考えるべき事をちゃんと考えていて、答えをきちんと導き出しているからです。
しかし、体験談の様に、こういった人に限って悪者扱いされることは、現代社会では非常に多くあります。
これはなぜかと言うと、現代の社会では、どちらが正しいかという事を第一優先としていないからです。
自分が当事者でない限り、社会というものは問題解決を第一優先に考えます。
誰であってもそうだと思いますが、どちらも正当性を主張した場合に、100%それを証明する事は不可能です。
嘘ばかりついている人が周りから信じてもらえて、正しい人が罰せられてしまう事も多々あると思います。
どういったトラブルに巻き込まれるかによって、多少の違いはあるかもしれませんが、自分は正しいと突き進めば突き進むほど、相手はそれに対抗して問題は難しくなっていきます。
そうなると結局は、どっちが正しいかという問題は関係なく、あなた自身がストレスを溜めこんでしまう結果になってしまいます。
トラブルに巻き込まれた時に一番大切なのは、いかに問題を迅速に解決して、そしてその中で自分自身の正当性を表面化できるかどうかです。
問題が長引けば長引くほど、周りの人たちも関心が薄れてきます。
だからこそ出来るだけ迅速に、そして可能ならば関係者すべての人たちを含めて、相手と話をすることが大切な事です。
自分が正しいと考えられている人は、間違った事はしていないという自信からくる無関心になってしまいがちです。
自分は正しいから放っておこうという考えでは、いつの間にか問題が無視できない状態になってしまいます。
そしてそうなると、いくら自分の正当性を主張したところで、周りの人の関心はそこにはありません。
結局体験談の様に、正しいと思っている自分が折れる形になるかもしれません。
少し遠回りしてしまいましたが、自分自身が正しいと思っている人の唯一の間違いとは、主張するあまり問題が長引いてしまう事になります。
問題の本質をちゃんと理解できる分析能力を持っているのですから、なるべく早くに周りの人を含めて問題の相手と話をし、その中で自分の正当性を冷静に主張するのが、あなた自身にとってストレスの溜まらない解決法になると思います。