上司と部下の信頼関係を築く方法を体験談から学ぶ

今回紹介するのは、職場の人間関係についての体験談です。

Trust

上司と部下の信頼関係というのは、就職してから転職、または退職をするまでずっと続くものですし、気持ちよく仕事をする上で非常に重要なことです。

人それぞれ価値観が違いますし、職場は学校と違って、異年齢の人たちが集まる集団です。その中で上手に信頼関係を作っていけないと、その職場にいることがつらいばかりか、他へ行っても似たような悩みでつまずいてしまいます。

そこでぜひ、職場での上司と部下の信頼関係の悩みの解決法を考えていきたいと思います。

上司との信頼関係を築いた体験談

さて、早速ですが私の体験をお話しします。

私の職場は、私が入社する以前から職員間のコミュニケーションが拙いところでした。上下関係がはっきりしている感じで、上司の言うことになかなか「ノー」と言えないのです。

特に直属の上司は口が達者なうえに言い方がキツく、年齢もみんなより少し上ということもあり、誰も何も言えない雰囲気がありありとしていました。

私は最初の一年間は臨時職員として入社したということもあり、輪をかけて発言力がなく、その割に正職員と同等の仕事を任せられるので、本当にやりにくくて仕方がなかったです。

それでも最初の一年間は、意見を言わずに過ごしました。決して言えないわけではなかったのですが、上記のように発言力が乏しい中で何を言っても聴いてもらえない感じがしたからです。

その代わり、おかしいと思うことはちゃんと記憶しておき、その解決策を考え、正職員になった暁には徐々に意見を言おうと考えていました。

二年目になり、臨時職員の時の仕事がある程度評価されて、晴れて正職員となりました。

この時点では他の職員はみなさん、私のことをただのイエスマンと見ていたと思います。

それだけ何も意見せず、はいはいと仕事をしてきたのです。ですから、最初に意見を言った時は、前の日に眠れなくなるほど緊張しました。

最初に意見を申し上げたのは、前述した直属の上司に対してです。私は元々口下手で、うまく自分の思っていることを伝えられないという自覚がありました。

ですので、アサーショントレーニングの本を購入し、さわやかに自己表現する方法をひそかに勉強していました。

その成果があったのか、この時は自分でもびっくりするくらい上手に伝えられました。上司もしっかり意見を聞いてくださいました。

そして意外なことを口にしてくださいました。それは、今まで誰も部下が意見を言ってくれなかったということでした。

私だって完璧ではないから、どんどん部下から意見を言ってほしいと言うのです。自分の言い方がキツいことは自覚しているともおっしゃっていました。

その後、このことを全体会議で共有しました。それ以来、少しずつではありますが、会社の雰囲気が変化してきたように思います。

まだまだ言えていないこともありますし、他の職員がなかなか自分の意見を言ってくれないことに対する不満もあります。

しかし少なくとも私自身は、以前より充実して過ごせていますし、職場に行くのが楽しいと思えるようにさえなってきています。

今回の体験談は、自分の意見が言いづらい雰囲気の職場での自己表現についての体験談でした。

言い方がキツい上司がいて、誰も意見を言えないような雰囲気が漂う現場です。

しかし、100人いれば100通りの考え方があるものですし、どちらが正しいかなんてそう簡単にわかることではありません。どちらも正しいし、どちらも間違っているという場合だってあるでしょう。

大切なのは相手の価値観を尊重しつつも、自分の価値観を表現することです。相手の言い分を認めつつ、それでも私はこう思います、ということを、まずは相手に真摯に伝えないことには話が進んでいきません。

ここは本当に大事なところです。話し合いとは、相手の意見を聞きつつ、それに対しての自分の意見を言う事が話し合いです。

よくここを分かっていない人が多いのですが、話し合いで自分の意見しか言わない人がいます。これは仮にその人の意見が100%正しいとしても、その後うまくはいきません。

話し合いでは、自分の意見を言う事よりも、相手の意見を聞くことが非常にじゅうようなのです。そしてそれこそが上司と部下の信頼関係を築く上で一番重要な事なのです。

そして、言いづらいからと言って直接本人に言わず、陰で何かを言うことが最も良くないことです。
正確に相手に伝わらないからです。誤解が生まれ、嫌な気持ちになり、更に言い出しづらい雰囲気になり、最後は信頼関係が破たんしてしまうことにもつながりかねません。

最初の一歩は本当に勇気がいります。誰も言わないことを言うのは本当に恐ろしいことです。

もし批判されたらとか、もしそれで孤立したら、とかを考えてしまいます。しかし、上辺だけの薄い関係ならば、孤立したほうがはるかにマシです。

そして、一度言ってしまえば後は楽です。周りも、あの人は自分の意見をしっかり言える人だと見てくれるようになります。そうなれば味方になってくれる人がきっと現れます。

とにかく、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見をしっかり言うことに尽きます。それさえできれば、どこの職場に行っても円滑な人間関係が築けるでしょう。

今現在、上司と部下との信頼関係で悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。