親の介護が遠距離で大変だった体験談からその対処法を学ぶ

今回紹介するのは、親に同居を拒否され遠距離での介護をせざる得なくなった体験談です。

遠方に住む親が一人暮らしをしており心配な状況にある方は多いと思います。

それでも親に同居を拒否されると、遠距離での介護をしなければならない状況も出てきます。

専業主婦ならまだしも、現代社会では共働きも多いですので、仕事を辞めて親の介護を始める方も多いようです。

ではそんな遠距離での親の介護をする状況に対処する方法とは何なのかを体験談を読んでもらった後に考えていきたいと思います。

親に同居を拒否され仕事を辞めて介護することになった体験談

52歳の主婦です。57歳の夫と15歳の娘がいます。

私の悩みは、心身ともに病気の母が同居してくれない事です。
主人の両親は既に他界しており、私の両親は父が3年前に白血病で亡くなっています。

私達は両親とは同居しておらず、電車で1時間40分くらいの隣の県に住んでいます。

父が亡くなった時の母は76歳でした。
看病疲れでくたくたに見えましたが、しばらくすると「この世の春やわー」と毎日生き生きと過ごしていました。

何度か同居を促したのですが、「毎日が楽しいので結構」と断られ、一人暮らしを満喫しているようでした。

しかし、この夏猛暑に負けてしまい、熱中症にかかってしまいました。
自分で救急車を呼んで救急病院に運んでもらい、そのまま入院となりました。

1人暮らしをしてからは年に1回程は救急車のお世話になってはいたものの、点滴などの治療が済んだら帰れる程度の症状でしたので、今回は本人にとってはかなりショックな出来事でした。

また、症状もなかなか良くならず、母は「このまま死んでしまう」とよく泣いていました。

8日程の入院で、全回復とまではいかないまでも、退院しても良いとの事で母の希望で母の家に連れて帰りました。

入院すると年寄りはボケる、と言われますが、それは痴呆では無くせん妄症状だそうです。

ショックとストレスによって脳に混乱が生じるそうです。
母もせん妄症状が現れました。本人は気づいていないのですが会話が成り立たず、私の背中に冷や汗が流れてぞっとする日々が数日続きました。

だんだん混乱が収まってきて、以前の母にやや戻りつつあるようでした。

それでも、熱が下がらず周りの状況もしっかり把握が出来ていないようです。

離れていては、看病も満足に出来ません。
一緒に住もうと言ってもあと3年は1人で暮らしたい、3年たったらよぼよぼで動けないので面倒見て欲しい、と譲りません。

まったく困ってしまいます。母は気づいていないのですが、私はフルタイムでバリバリ働いて主人と同じくらいの給料を稼いでいました。

そうでないと我が家の家計はやっていけないのです。主人は介護の仕事をしていて、気の毒なくらい給料が安いのです。

しかし、今回の件で私は仕事を辞めました。いつ母がよくなるかわからないし、せん妄している母をほっとけず、会社にも迷惑を掛けられないので退職を電話でお願いして、退職届を郵送しました。

母の退院からずっと実家に泊まっていて、家の事は主人と子供に任せています。

病気の身内を持った場合、我が家では私が職を辞めて世話をするという方法を選択しました。

近々自分の家に帰り、在宅で働ける所を探そうと考えています。

母の体調を考えると会社勤めは難しいように思います。母が寝込むのを回避する方法は、まめに連絡を入れて様子を伺う事だと思います。

あと、月に2度は会いに行くようにしようと思っています。
本当は一緒に住んでくれたほうが安心なのですが、そこは母の気持ちも尊重して無理はせず、自然な流れで介護できるように機会を伺っています。

これが我が家で起きたこの夏の出来事です。

親の介護とはいつやってくるか分かりません。70歳を超えてしまうといつ何があっても分かりません。

そんな状況だとしっかり認識して、前もって準備をしておくのが一番大事なのですが、なかなかそうはいきませんよね。

では、そんな遠距離での親の介護に直面した場合の対処法ですが、一番大事なのはその状況をしっかりと受け入れる事です。

自分たちの生活と、親の生活とを考えていくと、現状を続けていくのは無理な状況も必ず出てきます。

そうなると現在の状況を続けるという事はもうきっぱりと諦めるしかないのです。親の事を諦めるわけにはいきませんからね。

体験談でもありますが、仕事を辞めるという選択がこれにあたります。

仕事を辞めてしまうと自分の家庭が苦しくなりますが、親の介護があるのですからどうしようもない問題なのです。

この部分をいつまでも考えてしまうと問題解決へと進むことが出来なくなるのです。

世の中しょうがない事は多々ありますので、親の介護の為にそこはしっかりと割り切って前に進みましょう。

そうして親の介護を中心に考えていけば、体験談のようにそれでも出来る仕事を探す方法もありますし、またそれまで見えていなかった新しい道も見えてきます。

仕事を辞めるイコール自分の家庭が成り立たないという考えではなく、まずは介護を中心に考えて、そこから自分の生活なり親の今後の事なりを解決していくの最善の方法です。

必ず新しい道は見えてきますので、悲観しすぎることなく前に進むようにしてください。